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用地仕入れ担当者必見!系統用蓄電池の土地選定の条件・選び方を解説

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用地仕入れ担当者必見!系統用蓄電池の設置条件と土地選定

系統用蓄電池の導入が活発化するなか、「用地探しが想像以上に大変」という声が多く聞かれます。特に初めて系統用蓄電池の用地仕入れを担当する方にとっては、「この土地は検討に乗るか?」「現地を見るときに何を確認するべきか?」など疑問に感じる点が多いでしょう。

そこで本記事では、これから系統用蓄電池の設置場所を探す方や、用地仕入れを任されて間もない方に向けて、設置に必要な条件や土地探しのポイントなどをまとめました。無駄な検討を減らし、すばやく判断するためのポイントをわかりやすく解説します。

なぜ土地選びが重要なのか

系統用蓄電池のビジネスを成功させる上で、土地選びは非常に重要なポイントです。一見よさそうな土地でも、「系統連系が取れない」「農地転用が不可」「用途地域がNG」「近隣の同意が得られない」などさまざまな問題があり、結局設置できないといったケースが多いためです。

設置場所を探す前に、まず設置条件を整理しておくとスムーズです。

  • 想定出力・容量(例:2MW/8MWh など)
  • 接続予定の電圧区分(高圧・特高)
  • 設置方式(コンテナ型/屋外据置)
  • 希望エリア(系統空き容量・市場条件)
  • 想定予算(土地代・造成費含む)

これらの条件を整理しておくと、後工程ですべてやり直しになるというリスクを避けられるでしょう。

条件が整理できたら、次に候補地の情報収集を行います。候補地を探す際に大切なのは、単なる「土地探し」ではなく「条件の合致探し」と割り切る点です。最初から条件を満たす土地だけを拾う意識を持って探し、少しでも条件に合わない可能性がある土地は早めに切ることをおすすめします。

たとえば

  • 系統連系の見込みが薄い
  • 農振除外が必要な農地
  • 住宅が近すぎる
  • 地権者が条件に非協力的

このような傾向があるとき、もう少し調べてみようと思うと想像以上に時間がかかってしまうことがあります。最初から7~8割の土地は捨てる前提でいることが、用地仕入れ担当者の負担を減らす鍵になります。

また、同時に「100点の土地はほぼ存在しない」ことも念頭に入れておきましょう。完璧を目指さず、「70点でも事業として成立すればOK」だと意識することも、土地探しを行う上で重要なポイントです。

土地売買のイメージ

土地探しの前に必ず確認!系統空き容量の壁

系統用蓄電池の用地選定において、土地の広さ以上に重要なのが「系統の空き容量」です。いくら地主の合意が得られ、平坦で広い土地であっても、電気を流すための「電線のパイプ」がいっぱいであれば事業は成立しません。

最近では、混雑時に出力を制限する「ノンファーム型接続」という選択肢も増えていますが、これには収益低下のリスクも伴います。 まずは各電力会社の「系統空き容量マップ」を確認し、そもそも検討の余地があるエリアなのかを机上で見極めることが、無駄な現地調査を減らす最大のコツです。
以下のリンクから、全国の電力会社のマップへアクセス可能です。

電力系統の混雑状況等に関する公開情報(各一般送配電事業者のリンク集)|OCCTO
※マップで「空きあり」となっていても、詳細な接続検討で結果が変わる場合があるため、あくまで初期判断の目安として活用してください。

系統用蓄電池の設置場所に適した土地とは

系統用蓄電池の設置場所には次のような土地が候補地に挙がることが多くなっています。それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

遊休地・空き地

長年使われていない土地は地主が活用方法を探しているケースが多く、取得・賃借が容易である可能性が高いでしょう。また更地が多いため造成コストが低く、地方部ではまとまった面積を確保しやすい点もメリットです。

デメリットは用途地域や法規制の確認が必須な点で、市街化調整区域・農地・保安林などは設置が不可、あるいは設置のハードルが高いことが挙げられます。また、系統接続が遠いケースや、地盤が弱い可能性もあります。

工業地域・準工業地域

用途地域的に系統用蓄電池と相性が良く、エネルギー設備やインフラ系施設が受け入れられやすいと言えます。住宅が少ないエリアのため近隣トラブルのリスクも低いでしょう。

しかし立地が良い分、土地価格・賃料が高めでコストが事業性に影響を与える点や、競合が多く土地の確保が難しい点、敷地形状に制約が多い点には注意が必要です。

既存変電所・送電線周辺

系統接続の距離が近いため工事費を抑えられる可能性があります。電力会社との協議が進みやすく、事業成立の可能性が高い点は大きなメリットでしょう。

デメリットは系統容量が埋まっている場合、必ず接続できるとは限らない点です。また、そもそも変電所周辺の空き地は限られているため、土地が少ないことや、電力会社の整備保安上の制約を受ける可能性がある点には注意しましょう。

使われなくなった太陽光発電用地

太陽光発電用地のイメージ

太陽光発電用地にはすでに電力設備があることや、再エネ設備への理解が得られやすい点がメリットです。フェンスや進入路などが整備済みの場合もあり、初期費用を抑えられる可能性があることも強みでしょう。

ただし、太陽光発電時代と現在では系統状況が変わっている可能性があるため、系統容量の再確認が必要です。また、蓄電池はPCS・変電器を含めると意外に場所を取るため、敷地面積が足りないことがあります。

系統用蓄電池の用地選定で確認すべき立地条件

系統用蓄電池は土地が空いていればどこにでも置ける設備ではなく、さまざまな立地条件をクリアする必要があります。

ここでは用地選定で必ず確認すべきポイントを解説します。

系統(送電線・変電所)との距離と位置関係

系統用蓄電池は電力系統に接続する必要があるため、近くに高圧・特別高圧の送電線があるか、変電所までの距離が近いかなどを確認することが大切です。また、いくら近くても系統容量に空きがなければ接続できないため、確認が必要です。

土地の広さ・形状・接続条件

系統用蓄電池の設置には、蓄電池設備以外にもキュービクル(金属製の箱型設備)、PCS(電力変換システム)、変圧器、メンテナンススペースなども含めた土地が必要になります。

目安となる広さは設備容量やメーカー構成にもよりますが、小規模で300~500㎡、中~大規模で1,000㎡以上が検討されやすいでしょう。

またいくら広さを満たしていても細長い・三角地などは不利となり、大型車両が進入できる道路幅も必要です。

用途地域・都市計画上の制限

系統用蓄電池はどの用途地域にも設置できるわけではありません。特に、住宅系地域は騒音や景観上の問題があり、説明対応が必要になります。また市街化調整区域は原則NGです。工業地域・準工業地域・工業専用地域であれば比較的検討しやすいでしょう。

周辺環境(住宅・学校・病院との距離)

系統用蓄電池は運転音(空調・ファン)が大きいため、住宅などから近いと苦情などの問題に発展しやすくなります。また見た目もコンテナ型で高さ・ボリューム感があり、「何が建つのかわからない」「危険ではないか」といった不安を与えやすい点も、用地選定で意識すべきポイントです。

近隣に住宅や病院、学校などがないか、目隠しフェンスや緩衝帯を確保できるかなど、法的に問題がなくても周囲への配慮は大切なポイントです。

地盤・災害リスク

系統用蓄電池は重量物が多いため、地盤の影響を受けやすい設備です。埋立地や軟弱地盤でないか、洪水・浸水想定区域に入っていないか、土砂災害警戒区域の有無など、災害の起こりやすい場所への設置は避けることが重要です。

法令・権利関係の確認

用地が決まっても使えなければ意味がありません。たとえば農地は農地法で守られており、用途変更するためには時間がかかります。また地役権や借地権など権利関係が複雑な土地も避けた方が安心です。

まとめ

系統用蓄電池は長期運用が前提となるため、長期にわたって使用できる土地の選定が重要です。用地の仕入れは、「系統との距離・可能性」「広さ・形状・搬入条件」といったさまざまな立地条件をクリアし、かつ、「周辺環境とのトラブル回避」「地盤・法令・権利関係」でのリスクを最小化することが大切です。

初心者の用地仕入れ担当者が陥りやすいのは、「広さが足りない」「系統が遠い」「法令確認が後回し」という3点です。まずは

  • 系統との距離
  • 用途地域
  • 周辺環境

この3点を確認するだけでも、無駄な検討を大きく減らすことができるでしょう。

このように系統用蓄電池の事業成否は、設備仕様以上に「最初の土地選び」で決まると言っても過言ではありません。
早い段階で設置条件を満たす土地を見極め、無駄な検討を減らすことが、事業スピードと成功確率を高めることにつながります。本記事のポイントを参考に、長期運用に耐えうる用地選定を進めていきましょう。

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