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系統連系ルールが厳格化へ:空押さえ対策と接続検討の上限設定

2026年4月16日、経済産業省の「次世代電力系統ワーキンググループ(WG)」が開催されました。今回の議論の柱は、系統の「空押さえ」による連系遅延の解消と、急増する接続検討への対応です。系統用蓄電池事業者が注視すべき2つの大きな動向を解説します。

1. 接続検討の「一事業者あたりの上限数」が8月から運用開始

系統用蓄電池をはじめとする発電等設備の申し込みが急増し、一般送配電事業者の回答が遅延している現状を受け、一事業者(一グループ)が同時に申し込める接続検討数に上限が設けられます。

  • 運用開始日: 2026年8月1日(予定)
  • ルールの要点:
    • 8月1日時点で「受付済み」になっていない案件には上限が適用されます 。
    • 上限を超過して申し込んだ場合、書類確認すら行われず、既存案件の回答が終わって枠が空くまで再申し込みができません 。
  • エリア別の上限数(試算値): 東京エリアで「11」、関西で「10」、九州・北陸で「8」など、エリアごとに設定されます 。
    ※上記は一例の上限数です。正確な上限数は今後、発表予定となります。

これにより、手当たり次第に検討を出す戦略は通用しなくなり、事業化の蓋然性が高い地点を厳選して申し込む「質の高い開発」が求められるようになります。

2. 大規模需要の「空押さえ」に対する強力な規律確保

データセンターなどの大規模需要家が、将来の最大容量を確保したまま、実際の使用開始を遅らせたり、途中の契約電力を低く設定し続けたりする「空押さえ」が問題となっています。これが原因で、後着の蓄電池などの事業者が「空き容量なし」として連系を待たされる悪循環が起きています

これに対し、以下の2つの対応案が示されました。

① 計画未達時の「容量開放」ルール(対応①)

段階別契約(将来的に容量を増やす契約)において、計画通りに電力が使用されない場合、確保していた系統容量を他の事業者に開放できるようにします

  • 例外規定: 供給開始日の1年以内の延期や、1年以内の計画復帰は認められますが、それを超える「未達」分については、強制的に容量が開放される可能性があります 。

② 未使用容量に対する「実費精算」の請求(対応②)

当初計画通りに最大契約電力まで達しない状態が続く需要家に対し、一般送配電事業者が契約変更を行い、それまでに要した設備形成費用などの実費を請求(精算)できるようにします

事業者様への影響とアクション

今回のルール変更は、「本当に電気を使い、供給する意思のある事業者を優先する」という政府の強い姿勢の表れです。

  • 接続検討の精査: 8月の上限設定に向け、現在進めている案件の優先順位を明確にする必要があります。
  • 連系枠の改善期待: 需要側の「空押さえ」にメスが入ることで、これまで「容量不足」とされていたエリアで、蓄電池の連系枠が再び確保しやすくなる可能性があります。

系統用蓄電池ビジネスにおいては、単なる地点確保だけでなく、系統側の最新ルールに適合した緻密な開発スケジュール管理が、これまで以上に成功の鍵を握ることになります。


出典: 資源エネルギー庁「第10回 次世代電力系統ワーキンググループ」資料1-2、資料2(2026年4月16日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/smart_power_grid_wg/010.html

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