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系統用蓄電池の普及がさらに加速へ!経済産業省が新たなルールづくりを検討

電気をためて有効活用する「系統用蓄電池」に注目

2026年10月6日、経済産業省の「第13回 次世代電力系統ワーキンググループ」が開催され、系統用蓄電池の普及を進めるための新たなルールについて話し合われました。

今回の会議では、蓄電池を電力ネットワークにつなぐための手続きの見直しや、安全に利用するための仕組みづくりなどが議論されました。

太陽光発電や風力発電など、環境にやさしい再生可能エネルギーの利用が広がるなか、電気をためて必要なときに使える「系統用蓄電池」の重要性が高まっています。

今回の取組みによって、系統用蓄電池をより計画的に導入できる環境が整い、再生可能エネルギーのさらなる活用につながることが期待されています。

そもそも「系統用蓄電池」とは?

系統用蓄電池とは、電力会社の送電線や配電線につながり、大量の電気をためたり、必要なときに電気を送り出したりする設備のことです。

例えば、太陽光発電は晴れた日中には多くの電気をつくれますが、夜間は発電できません。

そこで役立つのが系統用蓄電池です。

  • 電気が余っているとき: 電気を蓄電池にためる
  • 電気が足りないとき: ためておいた電気を送り出す
  • 電気の需要が変化したとき: 充電や放電によって電力の需給バランスを整える

このように、電気を必要なタイミングで使えるようにすることで、再生可能エネルギーを無駄なく活用し、電力の安定供給にも貢献します。

1. 系統用蓄電池の導入計画が急増!申込み容量は4,000万kWを突破

今回の会議では、系統用蓄電池を電力ネットワークにつなぐための申込みが大幅に増えていることが報告されました。

2026年3月末時点で約3,500万kWだった契約申込みの受付容量は、2026年6月末には4,087万kWに増加しています。

これは、わずか3か月で約587万kW増えた計算になります。

ただし、この数字は実際に設置されて稼働している蓄電池の容量ではなく、電力会社に接続を申し込んでいる設備の容量です。

それでも、全国で多くの企業が系統用蓄電池の事業化を検討していることがわかります。

今後も再生可能エネルギーの普及が進むなか、電気をためて活用する設備への需要は高まっていくと考えられます。

2. 蓄電池を電力ネットワークにつなぐ手続きの改善へ

系統用蓄電池を設置する際には、電力会社の送電線や配電線につなぐための手続きが必要です。

例えば、新しく蓄電池を設置したい企業は、電力会社に対して「この場所に蓄電池を設置して、電力ネットワークにつなぐことができますか?」と確認する必要があります。

これを「接続検討」といいます。

ところが、最近は蓄電池の設置を希望する企業が急増しており、電力会社が対応しなければならない申込みも増えています。

なかには、具体的な事業計画が固まっていない段階で申し込まれるケースもあります。

その結果、実際に蓄電池を建設したい企業の手続きにも時間がかかる可能性があります。

そこで今回の会議では、申込み時に支払う費用の見直しなどが検討されました。

現在、接続検討には原則として1地点あたり22万円(税込)の費用がかかりますが、この金額を引き上げる案などが示されています。

今回の見直しで期待されること

  • 具体的な計画がある事業者の手続きが進みやすくなる
  • 電力会社の確認作業の負担を減らせる
  • 蓄電池の設置計画をより円滑に進められる

申込み費用が増える可能性はありますが、事業化に向けた手続きの効率化につながることが期待されています。

なお、具体的な金額や新しいルールの開始時期は、今後の検討事項です。

3. 小規模な蓄電池も、より適切に設置できる仕組みへ

今回の会議では、比較的小規模な「低圧蓄電池」の設置ルールについても話し合われました。

蓄電池には設備の規模や接続する電圧によって、低圧・高圧・特別高圧などの区分があります。

低圧蓄電池は、比較的小規模な設備として設置できることが特徴です。

一方、大きな蓄電池設備を複数の小さな設備に分けて設置することで、本来必要となる手続きやルールを避けようとするケースが課題になっています。

そこで今回、こうした設置方法を適切に管理するためのルール見直しが提案されました。

これにより、事業者が公平な条件で蓄電池を設置できる環境づくりが期待されます。

ただし、今回示された内容は検討段階であり、すべての小規模蓄電池の分割設置が禁止されると決まったわけではありません。

4. 太陽光発電の電気をもっと有効活用!蓄電池への期待が高まる

系統用蓄電池が注目されている理由の一つが、再生可能エネルギーを無駄なく利用できる可能性があることです。

例えば、晴れた日の昼間には太陽光発電によって大量の電気がつくられます。

しかし、電気が余りすぎると、電力の安定供給を守るために、太陽光発電などの発電量を一時的に減らさなければならないことがあります。

これを「出力制御」といいます。

せっかく発電できる電気を十分に活用できないため、再生可能エネルギーの普及における課題の一つとなっています。

今回の会議では、2026年度の出力制御率について、九州エリアで6.9%、東北エリアで3.0%、四国エリアで2.6%という試算が示されました。

そこで期待されるのが系統用蓄電池です。

電気が余る時間帯に充電し、電気が必要になる時間帯に放電することで、再生可能エネルギーをより効率的に活用できる可能性があります。

もちろん、蓄電池を設置するだけですべての出力制御を解消できるわけではありません。

それでも、再生可能エネルギーの導入が進む日本において、系統用蓄電池は電気を安定して利用するための重要な設備として期待されています。

5. 安全に蓄電池を使うためのセキュリティ対策も強化へ

系統用蓄電池は、インターネットなどの通信回線を利用して、遠隔地から充電や放電を管理することがあります。

そのため、外部からの不正な操作やサイバー攻撃を防ぐことも重要です。

今回の会議では、通信機能を持つ機器について、一定のセキュリティ基準を満たすことを求める案が示されました。

具体的には「JC-STAR」というセキュリティ評価制度の★1を取得することが検討されています。

適用開始時期として、次の案が示されました。

  • 高圧・特別高圧の蓄電池:2027年4月
  • 低圧の蓄電池:2027年10月

これらは会議で示された予定案であり、今後の正式な制度決定を確認する必要があります。

こうした安全対策が進むことで、系統用蓄電池を長期間安心して運用できる環境が整うことが期待されます。

6. 今後、系統用蓄電池の普及はどうなる?

今回の会議で話し合われた内容は、系統用蓄電池の普及をさらに進めるための環境づくりにつながるものです。

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候によって発電量が変化します。

そのため、電気をためて必要なときに使える系統用蓄電池は、今後の電力システムにとって欠かせない役割を担うと考えられています。

一方、蓄電池事業を始めるためには、設置場所の選定や電力会社との接続協議、設備費用、事業収益など、さまざまな点を確認する必要があります。

今後、接続手続きや設備設置に関するルールが明確になることで、事業者が計画を立てやすくなり、実現可能性の高いプロジェクトが進展することが期待されます。

ただし、系統用蓄電池の事業収益は、電力市場の価格や設備の運用方法などによって変わるため、導入前には十分な事業性の検討が必要です。

まとめ:系統用蓄電池の普及を支える新たな環境づくりが前進

2026年10月6日に開催された第13回次世代電力系統ワーキンググループでは、系統用蓄電池の導入を円滑に進めるためのさまざまな取組みが議論されました。

今回の主なポイントは、次の4つです。

  1. 系統用蓄電池の接続申込みが急増し、導入への関心が高まっている
  2. 電力ネットワークへの接続手続きを見直し、効率化を目指す
  3. 小規模な蓄電池の設置ルールを整え、公平な事業環境をつくる
  4. セキュリティ対策を強化し、安全に運用できる仕組みを整える

系統用蓄電池は、再生可能エネルギーを有効活用し、電力の安定供給を支える重要な設備です。

今回の制度整備に向けた議論が進むことで、系統用蓄電池の導入環境が改善され、日本のエネルギーを支える設備として、さらなる普及が期待されます。

系統用蓄電池.comでは、今後も系統用蓄電池に関する国の政策や制度の変更、市場の最新情報などを、初心者の方にもわかりやすくお届けしてまいります。


出典・参考資料

経済産業省 資源エネルギー庁

第13回 次世代電力系統ワーキンググループ(2026年10月6日)

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/smart_power_grid_wg/013.html

※本記事は会議で示された検討内容をもとに作成しています。制度の内容や開始時期などは、今後変更される可能性があります。

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