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系統用蓄電池と家庭用蓄電池の違いとは?用途・目的を解説

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系統用蓄電池と家庭用蓄電池(住宅用蓄電池)の違いとは?用途・目的を解説

蓄電池には、家庭向けに導入される「家庭用蓄電池(住宅用蓄電池)」と、電力系統と連動して運用する「系統用蓄電池」が存在します。
名称こそ似ていますが、用途や設備規模、導入目的は大きく異なり、基本的に同じ基準で比較・検討するものではありません。
しかし、調べていく過程で両者を同じ「蓄電池」として捉えてしまい、違いが曖昧になってしまうこともあります。

本記事では、系統用蓄電池と家庭用蓄電池それぞれの位置づけや役割を整理し、導入目的の違いを分かりやすく解説します。
それぞれの違いを深く理解するために、ぜひ最後までご覧ください。

系統用蓄電池とは

系統用蓄電池とは、電力系統(送配電網)に直接接続された、電力の需給バランスを調整する大規模な蓄電池設備です。発電量と消費量の差を吸収し、電力の過不足が生じても系統を安定した状態に保ちます。
特に、天候によって出力が変動しやすい太陽光発電や風力発電の導入が進む中で、その重要性は一層高まっています。

また、デジタル社会を下支えするインフラの一つとして、予期せぬ停電や災害に対する社会全体の「レジリエンス(対応力・回復力)」を強化している点も特徴です。
さらに、系統用蓄電池は万が一の際にも重要施設へ電力を送り続け、IT機器の停止を防ぐなど、電力インフラ全体の安定性を高める役割を担っています。

参考:参考資料(蓄電池) | 経済産業省

家庭用蓄電池とは

家庭用蓄電池とは、一般家庭に設置され、電気を蓄えて必要なときに使用するための蓄電設備です。太陽光発電の自家消費を高め、電気料金の安い時間帯の電力を活用することで電気代の削減に貢献します。
また、停電時には非常用電源として機能し、生活に必要な電力を一定時間確保できる点も大きな特徴です。

このように家庭用蓄電池は、日常の電力利用から非常時まで、家庭内の電気を安定して使うための設備として位置付けられています。

系統用蓄電池と家庭用蓄電池の違い

設置された蓄電池

系統用と家庭用の違いをまとめるため、それぞれの用途・目的・規模・設置場所・導入コストについて説明します。

用途・目的

系統用蓄電池は、電力ネットワーク全体の安定化を目的としています。余剰電力を蓄え不足時に放電することで電力の需給バランスを調整し、太陽光や風力など再生可能エネルギーの変動にも対応します。
これにより、系統全体の安定性が高まり、従来の調整電源への依存を減らすことができます。

家庭用蓄電池は、家庭内での電力最適化が目的です。
夜間の割安電力を貯めて日中に使用したり、太陽光発電で作った電力を夜に使うことで自家消費を高めたり、停電時には非常用電源として必要な電力を確保できます。日常利用から災害時まで幅広く対応でき、家庭の安心感向上にもつながります。

系統用蓄電池と家庭用蓄電池は、名称は似ていても、設置規模や運用の考え方、役割はまったく異なります。
そのため、両者は同じ基準で選ぶ設備ではなく、用途に応じて位置づけを正しく理解することが大切です。

規模・設置場所

系統用蓄電池は、電力ネットワーク側に設置される大規模な設備で、送電網や変電所、広い敷地を持つ施設などに設置されます。実際の供給可能量は出力容量や放電時間、運用条件によって変動しますが、地域全体の需給制御を支えるレベルの大規模設備です。
一般的には数MWh~数十MWhのエネルギーを蓄えられ、理論上は数百~数千世帯の1日分の電力量に相当します。

一方、家庭用蓄電池は各家庭の建物内や敷地内に設置され、エネルギー容量は数kWh~十数kWh程度です。家庭の電力消費を1~2日ほど補える規模で、日常の電力使用や災害時のバックアップに対応できます。

系統用と家庭用では、求められる安全基準や運用方法は大きく異なります。設置環境や利用目的に応じて、適切な規模と仕様が選定されます。

導入コスト・メリット・デメリット

系統用蓄電池は、設備費や土地の確保、電力系統への接続工事などが必要となるため、導入コストは非常に高額になります。
そのため電力会社や発電事業者、蓄電池事業を行う事業者などが主体となって導入・運用されるのが一般的です。
一方で、電力ネットワーク全体の安定化やピークカット、再生可能エネルギーの大量導入を支えるといった、社会インフラとしての長期的なメリットがあります。

家庭用蓄電池は、一般家庭でも導入可能な規模で設計されており、補助金や税制優遇制度を活用できる場合もあります。
電気代の節約や太陽光発電との併用、停電時の非常用電源の確保といった、暮らしに直結するメリットが期待できます。
一方で、設置スペースの制約や初期費用の回収に時間がかかる点などは、導入前に考慮すべきポイントです。

比較表:系統用と家庭用の違い

項目 系統用蓄電池 家庭用蓄電池
目的 電力系統の安定化、需給調整 家庭内の電力自給・節約、停電時バックアップ
設置場所 送電網・変電所・大規模設備 各家庭の屋外壁面やガレージ
容量 数MWh〜大規模 数kWh〜十数kWh
用途 電力ネットワークへの貢献、再エネ統合 電気代節約、太陽光との併用、非常用電源
導入主体 電力会社・事業者・自治体 一般家庭(個人)
コスト 非常に高額 比較的導入しやすい

まとめ

蓄電池は、活用されるシーンによって求められる役割が大きく異なります。

家庭での利用を前提とする場合は、家庭用蓄電池が想定されており、日常の節電や太陽光発電との併用、停電時の非常用電源として活用されます。

一方、電力ネットワーク全体の安定化を目的とする場合には、系統用蓄電池が用いられます。
系統用蓄電池は、電力会社や発電事業者などが主体となり、ピークカットや需給調整、再生可能エネルギーの出力変動の吸収といった用途で運用される設備です。

このように家庭用蓄電池と系統用蓄電池は、利用規模や管理主体、役割が明確に分かれています。
蓄電池を検討する際は「どのような用途・立場で使われる設備なのか」を整理したうえで理解することが大切です。

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